通販サイト(ECサイト)が好調だ。
過去も現在も「売れるもの」と「売れないもの」が明確に別れ、
「売れないもの」を売っているサイトは閉鎖に追い込まれるという、
それはリアルな街で起きてることと何ら変わらない。
売れるのは「ここならでは買えるもの」(つまり個性的な商材)と、「最安値店」であることも相変わらずだ。
僕が昨今気になるのは、むしろユーザーの側で、「ECサイトで何でも買う」傾向が顕著だ。それは正直「ちょっと、どうよ?」って思う。
そもそも僕がインターネットを始めた12年前、「これから始まるネット社会の展望」として、いろんなことが論じられた。ECもVODも銀行振込や今で云うEDI的な発想も、この頃から起きていたと記憶する。
どの展望、というか待望論にも、その背景には「ネットで便利(ここでは時短を指す)になれば、好きなことに費やせる時間が増える」とか、要は「余暇を充実させる」理想があった。
ところが、どうも昨今は「何でもウェブサイトで済ませる」ことが気になるのだ。
日本人に趣味を尋ねると「ショッピング」の回答は相当多いらしいが、その「ショッピング」をウェブで済ませてしまっては、ウィンドウショッピング、つまり現物をじっくりと見て吟味するという愉しみを損なっているように思える。
サイトでのショッピングに愉しさがあるのも理解できる。多くの既ユーザーのレビューが豊富だったり、更に掘り下げたマニアのアドバイスもふんだんにある。
だけど、オーダーして商品が届くまで「現物を確認してない」ことも事実で、これこそがショッピングの醍醐味だったのではないかと思う。
ショッピングに限らず、更にはウェブに限らず、「何でも簡単にする」傾向は明白で、ここに憤りを覚える。
僕はウェブサイトを作る会社の人間だから、こんなことを云うのは矛盾でもあると百も承知なんだけど、「何でも便利が素晴らしい」「それこそが文明であり正義だ」なんて「まっぴら」だと思っている。好きなことなら「多少の回り道くらいいいじゃん」、それこそ「それを求道する大きな醍醐味じゃん」と思う。
まぁ僕がこう憂いたところで、「時代について行けないオジサンの愚痴」と思われ、軽く流されるのだろうけどね。

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